歯を失う原因になる歯周病
歯周病は、細菌によって歯ぐきが炎症を起こす病気です。進行すると顎の骨が溶けて、いずれ歯が抜けて落ちてしまうため放置はできません。鹿児島中央駅すぐの歯科医院「ユミデンタルオフィス」は、歯周病に特化した医院として歯周病の治療に対応しています。
歯周病とはどんな病気?
歯周病とは細菌感染によって歯肉に炎症を起こす病気です。最初は自覚症状がないものの、歯肉の出血や 腫れを生じ、進行すると歯を支える歯槽骨が溶けてしまい、膿が出たり歯が動揺してきて、最終的には 歯を保存できなくなってしまいます。
お口の中には常在菌が住んでいますが、全てが悪い細菌ではありません。虫歯や歯周病を引き起こす細菌は ブラッシングが不十分だとネバネバした物質を出し、歯の表面に付着します。
これがプラーク(歯垢)です。プラーク中の細菌がブラッシングで取り除けない状態が続いたり、病状を 進行させる要因により歯周病が発症、進行してしまいます。
歯周病専門医として知ってほしい歯周病のこと
歯周病を引き起こす細菌は18歳以降にお口の中に定着する
P.gingivalis,T.forsythia,T.denticolaという3種類が病原性の高い歯周病菌です。
この「歯周病菌トリオ」は赤ちゃんにも移る虫歯菌のミュータンス連鎖球菌と異なり、18歳以降に口腔内に定着し始めます。 原因は唾液感染です。家族内感染は半分にも満たないと言われ、キスによる直接感染や食物を介した偶発的唾液感染で移ります。
歯肉からの出血が歯周病菌の栄養になる
ブラッシングが不十分でプラークが蓄積した状態が続いたり、カラダの免疫低下などが生じ歯肉が炎症をおこすと、歯周ポケットの 内面が潰瘍のようにただれ、ブラッシングの際の出血を生じます。
歯周病菌(P .gingivalis)はこの血液内の鉄を栄養として 数を増やしたり病原性を高めたりします。歯周病の治療はまず「歯肉からの出血をコントロールする」ことが大切です。
歯周病を進行させるリスク因子
喫煙、肥満、飲酒、ストレス、歯ぎしり・くいしばりなどの力の要因、糖尿病など全身疾患、不適合な被せ物や義歯、 歯の欠損による残存歯への負担増、口呼吸など、歯周病をさらに進行させるリスクファクターがあります。
歯周病は抗生物質やデンタルリンスだけでは治せない
抗生物質もデンタルリンスも一時的には効果があっても、歯周病菌をなくすことはできません。細菌はバイオフィルムという 要塞に囲まれた集合体を形成していますが、残念ながらこの内部の細菌にはほとんど効果がありません。 現在の医療ではバイオフィルム内の歯周病菌を完全に無くすことができないことが、歯周病が再発してしまう原因です。
歯周病治療は細菌の病原性を低くすること
お口の中の細菌をゼロにする(滅菌すること)は不可能です。
歯周病治療では毎日のブラッシングでプラークを減らし、歯科医院で歯周ポケット内のお掃除をして細菌を減らすことで 歯肉からの出血をなくし病原性を低くすることが大切です。カラダの免疫力と口腔内の細菌の均衡(バランス)を保てれば 歯周病は改善します。
メインテナンスは細菌とカラダの免疫力(抵抗力)のバランスを維持するためのお手伝い
歯周病治療で細菌の数は減っても、加齢や生活背景の変化で再び数を増やし再発をする可能性はあります。
細菌数が一定以上に増えて再発しないようにコントロールしていくケアがメインテナンスです。日々のセルフケアと プロフェッショナルケアで、生涯にわたって美味しく食べられるお口の健康を維持しましょう。
PICK UP! 当院は歯周病治療のプロフェッショナルチームです
当院の院長は歯周病を専門とする歯周病専門医であり、日本歯周病学会の認定指導医です。さらに歯科衛生士は、日本歯周病学会・日本臨床歯周病学会の認定歯科衛生士も在籍しています。
CTスキャンなど歯周病治療に必要な高度歯科医療機器も充実していますので、歯周病にお悩みの方は当院までご相談ください。
気づかず進む歯周病
歯周病の大きな特徴は、初期段階での自覚症状がまったくと言っていいほどないことです。歯ぐきから多少出血しても、痛みがないため見逃してしまっている方もいらっしゃるかもしれません。
そのため、歯周病が見つかるのはかなり症状が悪化してしまった段階であることが多く、それだけ完治は難しくなります。
歯周病の症状
軽度歯周炎 |
ブラッシング中などに出血しやすくなってくるため、痛みはなくても自覚することはできます。歯ぐきの出血からさらに進行すると、顎の骨が溶けはじめる「歯周炎」という段階に入ります。 |
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中等度歯周炎 |
顎の骨が溶けはじめた状態で、歯を指で押すとグラグラするほか、歯ぐきの腫れや出血、歯が浮くような感じなどさまざまな症状が出てきます。 |
重度歯周炎 |
顎の骨がかなり溶けてしまった状態です。歯ぐきが下がって歯が長く見えたり、膿が出て口臭がよりきつくなったりするほか、放置すると歯が抜け落ちることもあります。 |
歯周病の検査
プロービング検査
歯と歯ぐきの間にある「歯周ポケット」にプローブという細い器具を差し込んで行う検査です。歯周病が進行すると歯周ポケットが深くなっていくため、ポケットの深さによって現在の進行段階を判断します。
X線による検査
顎のレントゲン撮影を行うことで、歯周病によって骨が溶けていないかどうか、溶けている場合はどれくらい進行しているのかを調べることができます。
歯の動揺の検査
歯周病が進行すると、顎の骨が溶けて歯がぐらついてきます。この際のぐらつきを調べることで歯周病の進行段階を判断します。
かみ合わせの検査
上下の歯がバランスよくかみ合っているかどうか、就寝時に歯ぎしりや食いしばりといった害が起こっていないかなどを検査します。
歯周病の治療
軽度歯周病「スケーリング」
ブラッシングの際に出血する初期段階の歯周病は、「歯肉炎」とも呼ばれます。この段階であれば歯周ポケットも浅く、歯石も見える範囲にしか付着していないため、スケーラーという器具を使用して汚れを除去するスケーリングで治療します。 |
中等度歯周病「ルートプレーニング」
歯周病が進行して顎の骨が溶けてくると、歯周ポケットも深くなってきます。その場合、麻酔を使用して歯ぐきの深い部分までスケーリングを行います。また、スケーリング後のザラザラしている歯の表面を滑らかに仕上げる「ルートプレーニング」という処置も行います。 |
重度歯周病「歯周外科手術」
歯周病が重度まで進行すると、肉眼で確認しながら歯周ポケットの処置ができないため、歯ぐきを切開する外科手術が必要になります。歯周外科手術では、歯ぐきを切開して歯の根元を露出させ、付着した歯石などをすべて除去します。 |
再生療法
歯周病によって溶かされた骨は、そのままでは元に戻りません。そのため、溶けた骨や歯根膜を回復させる再生療法として「骨移植術」や「エムドゲイン」などを用いた再生療法を行います。再生療法によって失われた歯周組織がよみがえり、歯の寿命を延ばすことができます。
症例
※費用はすべて税込です
01
症例タイトル | 歯周病治療 |
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年齢 | 20歳 |
性別 | 女性 |
住所 | 鹿児島市 |
主訴/ニーズ | 歯磨きで出血する |
治療期間 | 3ヶ月 |
治療内容 | 歯周基本治療 |
費用 | 保険治療 |
院長コメント & 治療のリスク |
全顎的に歯肉の炎症と歯石沈着を認めましたが、ブラッシング指導とスケーリングルートプレーニングの歯周基本治療で、健康な歯周組織に改善しました。2013年治療終了から8年が経過しましたが、現在もメインテナンスで健康な状態を維持されています。 |
02
症例タイトル | 歯周病治療 |
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年齢 | 45歳 |
性別 | 女性 |
住所 | 鹿児島市 |
主訴/ニーズ | 歯が揺れる 歯並び気になる |
治療期間 | 2年 |
治療内容 | 歯周基本治療、再生療法、矯正治療 |
費用 | 保険治療+再生療法66,000円 矯正治療330,000円 |
院長コメント & 治療のリスク |
これまで虫歯もなく、歯科受診が初めての方でしたが歯周病は重度に進行していました。歯周治療をしっかりと行え噛み合わせを整えたことで、1本も抜歯することなく、2015年治療終了時から現在までメインテナンスで経過良好です。 |
※左側より①初診時②歯周基本治療終了時③メインテナンス時④初診時下顎前歯舌側⑤メインテナンス時
03
症例タイトル | 再生療法 |
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年齢 | 44歳 |
性別 | 女性 |
住所 | 鹿児島市 |
主訴/ニーズ | 左下の歯が揺れる |
治療期間 | 1年10ヶ月 |
治療内容 | 歯周病治療、矯正治療、インプラント治療、歯冠修復治療 |
費用 | 再生療法66,000円 |
院長コメント & 治療のリスク |
他院で歯周病治療を行うも改善が見られないため、専門医を希望されて当院受診となりました。残念ながら左下第2小臼歯は周囲の骨がなくなり抜歯となりましたが、第2大臼歯は歯周組織再生療法を行い骨の再生を図ることができ、抜歯を回避できました。 治療が終了した2014年から7年が経過した現在も、メインテナンスに通ってくださり、何でも食べられるとのことです。 |
04
症例タイトル | 再生療法 |
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年齢 | 61歳 |
性別 | 男性 |
住所 | 鹿児島県いちき串木野市 |
主訴/ニーズ | 奥歯が噛むと痛い |
治療期間 | 約1年 |
治療内容 | 再生療法(エムドゲイン使用) |
費用 | 66,000円 |
院長コメント & 治療のリスク |
糖尿病の悪化に伴い、歯周病もさらに重症化してしまっていた患者さんですが、再生療法を行い、失われていた歯槽骨が改善し抜歯を回避できました。歯周病治療と同時に食事療法、運動療法を行なったことで糖尿病の改善も見られ、2012年治療後9年経過しましたが良好な状態を維持しています。現在は転居された関西からメインテナンスに通ってくださっています。 |