歯ブラシでは25%しか落とせないけど、マウスリンスを使うとお口の奥まで浸透殺菌!!という印象を与えるCMですが、歯周病専門のドクターや歯科衛生士が見ると、「誤解を招きやすいなあ」と思う内容になっていました・・。
そして小さくてとても読めませんが、よく見ると
『通常のハミガキで磨く歯の表面積は口内の表面積のうち約25%です』と書いてあります(笑)
この25%というのは歯を磨く際の歯の表面積が、お口全体の表面積の25%ということをどこかの論文から引用しているようなのですが、
いかにも歯ブラシで25%しか細菌が落とせないというような誤った印象を与えてしまっています!!
マウスリンスの効果もあるのですがやはり限界はあります。歯周病菌はお口の中でバイオフィルムという塊として生息していますが、大阪大学の天野教授によると、マウスリンスなどの消毒薬はこの内部深くには浸透できないので、一部の細菌にしか効果がありません。ただし唾液中の浮遊している菌には50%〜90%の菌を殺す効力があると言われていますが(メーカーにて殺菌効果は異なる)、残念ながら浮遊細菌は30分から3時間で2倍に増殖します。30分で2倍に増殖する菌を90%殺菌されたとしても、2時間もしないうちに元の菌量に戻ってしまいます・・・。
そのためマウスリンスはあくまでも補助的な効力しかありません。
お口の細菌を減らす一番の方法は、機械的に除去する方法つまり歯ブラシやフロス、歯間ブラシです。歯ブラシだけでは歯と歯の間など細かいところまで、しっかりと落とすことができないため、1日1回でもいいのでフロスや歯間ブラシを使うことが大切。
しっかり磨いているつもりでも、きちんと磨けていなければいくら時間をかけても落とせていないこともあります。
患者さんのお口の状況に合わせたブラッシングの方法を歯科衛生士と確認させていただき、習慣にしていくことが有効だと思います。